城下町に生きる菓匠の技がめぐりゆく季節に華を咲かせます。
文化六年の創業以来、約二百年のときを越えていまに息づく菓匠の技。山紫水明の湖国、近江は彦根の城下町の伝統とともに愛され、育てられてきた歴史がここにあります。
時代の激動にも臆することなくお客様のごひいきに支えられて頑固なまでにのれんを守り継いでまいりました。それは、四季の移ろいを形に彩りに表した目に、舌に、心にやさしき味わいの集大成。
皆様のおくつろぎの時間にしばしのご満足をお届けできたら幸いでございます。
和菓子は五感で味わうと申します。
舌で味わうのはもちろん、香り・触感。
そして季節感や地域性を感じさせる外見や菓子店の想いを込めて付けられた名前。少し大仰に聞こえるかも知れませんが、単に食物としての和菓子を伝えるだけでなく、和の文化も伝えていくという気持ちも失わない菓子店でありたいとおもっております。
和菓子の基本は「餡」炊きからはじまります。いと重菓舗は伝統製法をそのままに、北海道産の大納言小豆をはじめ手芒豆や豌豆など吟味した原材料を、手間と時間を惜しまずに炊き上げた自家製餡を使用しております。
伝統に奢らず、技を磨き続ける、当たり前のことながら菓匠としてのささやかな誇りがここに在ります。
阿波国・徳島で製される「和三盆」は、砂糖の中でも最高級品とされております。ほろりと舌の上でほどけるような甘さは口福そのもの。
当店の看板商品「埋れ木」には抹茶と和三盆糖を用いています。和三盆糖は通常は固めて御干菓子にすることが多い砂糖ですが、「埋れ木」は求肥で作った御菓子の周囲にまぶすという全国的にも珍しい手法を用いています。
和三盆糖は永年お付き合いのある徳島の製糖所さんから取り寄せて使用しております